はれた日は学校をやすんで

アフィリエイト広告を利用しています。

 

涙・涙・涙度 ★★★★☆

 

西原 理恵子

 

涙がとまりませんでした。単純なきれいな感動とは違う、人間の弱さや卑怯さをありのままに描き、なおかつそれを受け入れ包み込む力を感じます。実は表題作は、それほど共感できるわけではなくて、(どちらかというと対照的なお友達のほうがわたしの思春期像に近かったりします。)最後の「ジョン」という作品の感想です。わたしは動物が好きなほうだと思われているのですが(実際好きなのですが)こういう気持ちを持ったことはあります。自分の感情に気づいたとき、自分自身に対してすごく悲しく情けなく思い、こんな気持ちを誰にもいえない、知られたくないと思っていました。そういう感情をさらっと描いてしまうところに西原さんのやさしさを感じます。弱さを否定しない、そのままでいいよというメッセージを感じ、心があたたかくなりました。そのままでいい、というメッセージは人によっては開き直りととられてしまうことがあるのですが、そうではなくて、弱さを否定して強くなることはできないということなんです。弱くてずるい自分を認めてあげることが力になるのではないでしょうか。そこからやっとはじめることができるということではないかと思うのです。