「ヒッキーヒッキーシェイク」

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大和の紀伊國屋書店で平積みされていたこの本。

帯に「これが売れなかったら本屋やめます!」の文字、このコメントで一気に心を持ってかれてしまった単純なわたし・・・

 

タイトルから多少予想はついていましたが、ひきこもり(= ヒッキー)とカウンセラーがいきなり登場。現在反抗期の息子を持つ母であるわたし、ヒッキー・・・明日は我が身?・・・とちょっと気の重い出だし。

 

カウンセラーが敵か味方かわからないまま話は進行。話のはしばしに、”詐欺”、”犯罪”という穏やかならぬ言葉が飛び交い、ヒッキーたちの身が案じられます。ラストのほうまで、何がなんだかわからない展開が続きますが、最後はたたみかけるようにすべてがあきらかになっていきます。テンポがよくて、ほんと楽しい!

 

ネタバレしたくないので、詳しくは読んでみてください。

 

読みながら、ああ、これはこれからの時代の働き方の提案なのかもしれない、と感じました。仕事のあり方が大きく変わろうとしている現代、今ある仕事が何年後まで働けるかわからないというマイナス面もありながら、昔は働くことのできなかった、欠けたところのある人たちにはチャンス到来なのかもしれません。

 

ヒッキーたちは一人だけでは社会に出て行くことができません。人と連絡をとりあうこともむつかしい。そこに誰かが仲立ちしてつながることでプロジェクトを完遂することができる。仲立ちするのは誰にでもできることではありませんし、現実は甘くない、と言ってしまえば身も蓋もないですが、最後までワクワクしながらページをめくれたのは、そこに希望をみることができたからではないかなあと思います。これからの時代に彼らが生きていく道はこんなところにあるのかもしれない、と素直に思うことができました。

 

まあでも、あれこれ考えるよりも楽しんで読む本です。帯のコメントはダテじゃない!

 

 ヒッキーヒッキーシェイク (ハヤカワ文庫JA)