茜色のプロムナード

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人生度 ★★★★☆

 

これは、実はシリーズもので、1年に1冊ずつ刊行され、主人公も1歳ずつ歳をとっていきます。「茜色のプロムナード」では主人公の杉原爽香は30歳ですが、シリーズがはじまったときは15歳でした。普通は15歳から読んでいくのでしょうが、たまたまこの本を最初に読んでしまったので、過去に遡るような形でシリーズを読んでいくことになってしまいました。確かにネタバレな部分もあるのですが、これが、意外におもしろいことに気づきました。現在30歳の女性と友達になったとします。彼女の15歳のときの話を聞くことはできますが、実際にその場にいたように体験はできません。それをタイムマシンで過去に遡って15歳の彼女と体験するような感覚が味わえるわけです。主人公がとても魅力的に描かれているからこそなのでしょうが、彼女のことをもっと知りたいという気持ちにさせられるのです。結果から知る形になりますので、あの人がどうしてこんなことを、なんてことが当時の状況を読むとなるほどと納得できたり、すべてシリーズを読み終わったときは人生について深く考えさせられてしまいました。ちょっと変わった読み方を試してみたい人はぜひ30歳の彼女と最初に出会ってみてください。