人間になれない子どもたち

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筆者の講演を聴いたのがきっかけで読んでみました。

講演を聴いていたときは、少し偏った人かなと思っていたのですが、この本を読む限りは、育児観についてはほぼ同意できることが多かったです。

昔の子どもがテレビやゲームに頼らなくてもすんだのは環境によるところも大きいというのはまったく同感です。都内のとある公園の噴水が、子どもの声がうるさいとの理由で近所の住民から訴えられ、利用できなくなったというニュースを聞き、とても悲しい気持ちになりました。どこへ行っても子どもは迷惑という扱い、子どもの遊び場を探すのはほんとうに大変です。のびのび走り回らせてやりたくても、ちょっと走るとすぐ道路、危なくてあれもダメこれもダメ。親子ともどもぐったりしてしまいます。

高度経済成長は大人のための便利さを追求する歴史であり、同時に子どもの育つ場というものを奪う歴史でもあったというのは筆者の言葉ですが、子どもが育つのに必要なのは便利さではないのですね。でこぼこした地面を走ると、転ばないためにバランス感覚がきたえられたり、バリアフリーも大事ですが、子どもの育ちには不便さこそが必要なのかもしれません。