バカの壁
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真理度 ★★★★★
養老 孟司 (著) 新潮社 ¥714
言わずと知れたベストセラーですが、意外と読んでいないまま、「バカには言ってもわからない」という内容と誤解している人も多いような気がします。
もちろん養老孟司さんは東京大学の教授という、日本では最高峰の頭脳をもっているわけですが、だからといって、バカを見下してバカの壁といっているわけではないみたいです。それどころか、その最高峰の頭脳の中にすらバカの壁が存在するといっているのです。わからないことがわかるようになる、その境目にあるのがバカの壁ということなんですね。そして、壁のむこうにいる人に、そこはどんなだと聞いたところで壁のこちら側にいる限り伝えることはできない、それは簡単に聞いて説明するようなことではなくあらゆる手段で体得することなのだということのようです。伝えることのできるのは情報のみであり、知っているということは、まだバカの壁のこちら側であり、"わかった"ときにはじめて向こう側に立つことになるわけです。
お釈迦様は自分の悟った内容は、教えてわかるようなものではないと言っていたそうですが、きっと、聞いてみたところで「なんだそんなことか、知ってるよ」なんて思ってしまうのかもしれません。
真理は言葉にするととても簡単なことになってしまうのかもしれないなと思わせられました。