ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

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沈痛度 ★★★★★

 

全編を通して重苦しいムードが流れています。ハリーは行く先々で常に、死を意識させられる出来事に遭遇しなくてはなりませんでした。15歳になったハリーは、もはや子供ではなく、かといって大人ではなく、自分の立場のあいまいさ、蚊帳の外におかれる理不尽さに、日々いらいらをつのらせています。自分こそがあの人の復活を見届けたのに、大人たちの誰もができなかったことを自分こそがやりとげたのに。でも、そんなハリーのいわば思い上がった気持ちに水を差す出来事がおこります。ラストで、ハリーは今まで感じたことのない感情が自然と沸いてくるのを感じます。ハリーの成長を暗示するようなラストで、依然として覆い被さる重苦しさをほんの少し払拭してくれたのではないかと思いました。

前回までのシリーズがジェットコースターのような胸のすく活躍ぶりだったのと非常に対照的に、今回は淡々とストーリーが展開します。でも、それだけに、ハリーの心の小さな変化がクローズアップされたように感じました。次回作がでるのは2年後でしょうか。思わずため息がでてしまいます・・・