発達障害について考えたいあなたにほんとうにオススメできる3冊

アフィリエイト広告を利用しています。
 
発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術
 

「仕事術」と銘打ってあるので、なんとなくビジネス書、という感じがしますが、発達障害者である著者が同じ発達障害をもつ人へ社会に適応するためにやるべきことを伝える、という主旨の本。ある意味、ビジネス書ではあります。よくある、発達障害の人のためのマニュアル本は、どことなく上から目線だったりしますが、こちらは本人が苦労して編み出したライフハックであるため、どこまでも目線がフラット。
 
文章からは、まったく発達障害を感じさせず、しっかりしたきちんとした人という印象なのですが、過去エピソードを読みすすめると結構やらかしている様子がうかがえます。傾向ありの人が読むと、ああ!ここにわたしがいる!みたいなエピソードをたくさん発見できるのではなかろうか・・・
 
知能の遅滞のない発達障害の人は、勉強はできることが多くて自信がある一方で、他の人が難なくこなしている「フツウ」のことができないというコンプレックスもかかえています。でも、ひとたび自分の特性と長所短所をしっかり自覚して、ライフハックを編み出していけば社会に適応することができるという勇気をもらいました。
 
同じ発達障害というくくりの中でも、特性は様々。それでも共通することが一つだけあります。それは、「フツウ」の人からみると、なぜできないかわからないことができない。だからこそ、同じ発達障害を持つ人のライフハックは貴重です。できないということを理解できるから。
 
そして、一番勇気をもらったのはあとがき。「時間は僕たちの味方です。僕たちは少しずつだけど、発達している」中学生のときより、高校生のときより、20代のころより、確かに自分は発達していると感じます。「フツウ」の人よりずいぶん遅いけど、少しずつできることが増えてきたかも。ご迷惑をおかけしてごめんなさいという気持ちは忘れず、得意なことで少しでも貢献できればと思いながらこれからも、「やっていきましょう!」
 
「14歳からの発達障害サバイバルブック」

こちらも、当事者が書いているので、まっすぐに伝わってくるアドバイスです。
14歳から、ということで見開きのページに1項目をイラスト付きでわかりやすく書いてあります。
こどもが自分の障害について理解するために読むのには、なかなかオススメ。
一つ一つがとても具体的で参考になります。
 
「明日もアスペルガーで生きていく」
 

これは、前の2冊とは異なり、フィクションの短編集です。典型的なアスペルガーの事例を本人の内面からと、外からはこう見えているという解説とを並行して書きつつ、ちゃんと小説として成り立ってるのがスゴイ。臨床でアスペルガーの症例を診られているお医者さんの監修のもと、取材も行った上で書かれているそうです。
 
アスペルガーと言っても(最近はもっと広範囲にひっくるめて自閉症スペクトラムというらしいですが)結構タイプがわかれるらしくて、こういう人はこんな風に思っているんだ・・・なんていう発見もあって新鮮です。どれも、あるある!的におもしろいですが、第一話がわたしには秀逸でした。言葉をしゃべってしまったらなくなってしまう、もったいないと思ってしゃべらなかった、という発想。彼らのこだわりと頑固さは、こんな意外な発想故なのですね。
 
最初、図書館の新着図書の棚でみかけて、時間があるときに借りよう、と思ってたら当たり前なんだけど新着の棚からは移動してしまい、その後二度と出会えず・・・(タイトルも覚えてなかった)となっていたのだけど、1年越しくらいで、棚に置かれている本をふと手にとって読んでみたら、コレだった〜!!!てなかんじで再会できたのでした。
 
フツウの人がアスペルガーの悪気のない無神経さや鈍感さの裏で考えている思考をこの本を読んで知ってもらえたら、ほんとうにありがたいことだと思います。